アメリカの金融市場の信用懸念やや後退だ

なんとアメリカの金融市場で証券化商品の発行や金融機関の増資などで、資金調達の動きが復調してきているというではないか。なんでもアメリカの連邦準備理事会の大量な資金の供給などで、信用の懸念がやや後退してきているというのだ。ところがアメリカの金融市場での信用力の低い個人向けのサブプライムローン問題の震源地である住宅の価格のいまだに下落は止まっていないということですし、市場の混乱がこのまま収まるという見方は依然として不透明な模様なのだ。

アメリカでの市場混乱で、ほぼ停止状態にあった証券化商品に投資のマネーが戻りつつあるのではといった見方がされてきているというのだ。なんでも自動車の大手のフォード・モーターの金融の子会社が4月中に発行した自動車リース債権を組み入れた証券化の商品は、なんと投資家の需要が膨らんで発行額を当初の10億ドルから16億ドルに上積みしたというではないか、60%も上方修正しているということです。それとJPモルガン・チェースが発行を予定している12億ドルの商業用の不動産ローン担保証券も完売が見込まれているということなので、明るい見通しができるのではと期待が寄せられているのだ。

一方、アメリカの証券大手モルガン・スタンレーは、従業員の5%に当たる約2000人の従業員を数カ月の間に追加で削減させる計画だということのようです。なんでもモルガン・スタンレーは信用力の低い個人向けサブプライムローン関連の損失が大きくて収益が圧迫されてしまっているというのだ。モルガン・スタンレーはすでに昨年10月からなんと約3000人の人員を削減してきているのだが、更なる追加の削減をせざるを得ない状況に追い込まれているというのだ。モルガン・スタンレーの従業員の削減の対象になるのはアメリカでの事業が中心になるというのだが、サブプライムローンの問題はまだまだ尾を引きそうなのだ。